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学習コラム
中学受験いつから塾に通わせたらいいの?
2022.01.04
目次
塾っていつから通えばいいのか?
学校の授業がついていけなくなった時?
周りの友達が通い始めた時?
公立小学校に通っている小学生の低学年の通塾率は約30% 高学年に上がると約50%の通塾率になります。
小学生が塾に通う理由は2つあります。
1つ目は中学受験に向けてです。
2つ目は学校の授業の補習になります。
学校の授業についていけない場合や知識の定着ができていない場合の補習目的や勉強の習慣を身に付けるための基礎学力向上を目的として通塾しています。
今回は中学受験を目指す場合の通塾時期や値段などについて紹介していきます。
そもそも中学受験とは
中学受験とは、私立中学校や国立中学校、公立中高一貫校などの入学を希望する生徒が受験することです。
近年では、少子化により、お子さんにより良い教育環境を用意したいと考える家庭や、中学校のさまざまな教育理念に共感し将来を見据えたレベルの高い教育を求めて、中学受験に挑戦する家庭が増えてきました。
文部科学省の「学校基本調査」によりますと、2019年度の中学校生徒数は約322万人であり、私立中学校に通っている生徒は約7.4%となっています。
特に首都圏の受験率は約20%もあり、地域差はかなりあると思われます。
高校や大学は基本的に受験(入試)を受けないと進学できませんが小学校から中学校は公立に関しては自動的に進学することができます。
では、なぜ私立中学校に受験をして進学するのでしょうか。
⓵大学進学に有利になる
中学受験をする理由で保護者から最も多い答えです。
私立中学校の場合であれば高校・大学と一貫校である場合も多く、推薦入学制度で進学することができます。
特に、関東では「慶応」「早稲田」「明治」、関西では「同志社」「立命」「関学」など難易度の高い学校の人気が高いです。
また、併設の高校・大学がない学校では、難関国公立大学への入試対策が万全であったりします。
②一貫した教育方針の下授業を受けることができる
各学校には建学の精神に基づいた教育方針があります。
「自主性」「愛」など各学校によってそれぞれですがモデルにする人物像はあります。
一貫校の場合その考え方がずれることなく指導を受けることができるため、勉強面「かしこさ」だけでなく、人間としての「かしこさ」も養うことができます。
③時代のニーズに合った授業を受けることができる
一昔前の学校というと「国・算・理・社・英」の科目をメインに授業が行われ、ほとんどが「筆記」での勉強でした。
しかし、最近では、国際社会で活躍できるような生徒に育てるため、学校独自のグローバル教育を実施していたり、プログラミングの授業を開講している学校もあります。
また、女子は礼法・作法・華道・茶道 男子は柔道や武道を取り入れている学校も多くあります。型にはまった授業ではなく画期的な授業を行うのは私立の学校の方が公立の学校より早いイメージがあります。例えば、コロナ渦で学校が休校になったときの対応もそうです。休校になった場合学校で授業を受けることはできませんが私立学校の多くがオンライン授業をすぐに行っていました。
④施設・設備が豊富
校舎の綺麗さや施設・備品の充実には力を入れています。
全天候型グラウンドやメディアセンターなど学校生活を有意義にするためのものはほとんど揃っています。
このような理由から私立中学校に進学を考える家庭が年々増えてきています。
また、中学受験を経験することにより忍耐力や精神力が鍛えられます。
目標中学や現状によっては長い時間受験勉強に費やさないといけなくなります。
中学受験をしない生徒が遊んでいるなか、自分は受験合格に向けて土日を含め、黙々と勉強をしなければなりません。
また模試や塾内テストの結果が教室に貼りだされたりしますので、その結果によってクラス分けがあったりするので精神的な負担も大きくなります。
小学生にとっては過酷な環境にはなってしまいますが、その中で勉強を続けることにより忍耐力や精神力が養われます。
他のメリットとしては、塾の講師は指導力が高く、子供たちは難しい問題も解けるようになっていきます。
自分で解けるようになることで、勉強が面白いと思えるようになり、中学受験だけでなく高校受験や大学受験、普段の勉強に対する向き合い方まで変化していくでしょう。
いつから中学受験に向けて勉強を始めるのが良いのか
中学受験をするために勉強を始める時期ですが、受験校や状況によりさまざまです。
難関校を目指す場合は小学4年生から始めましょう。
理由は、多くの学習塾で中学受験に向けたカリキュラムがスタートするため時期が小4からであるためです。
偏差値がそれほど高くない中学などは小学5年生から始めても間に合う場合がありますが、早め早めの行動が大切です。
中学受験対策で有名な「日能研」の場合は小学5年生の1月には小学生内容を全て終えます。
つまり、5年生から入塾した場合には既に6年生の単元を勉強している可能性が高いです。
では、「日能研」を参考に授業のスケジュール(4年生~6年生)について詳しく説明していきます。
日能研の授業スケジュール
4年生
通常期 (月)~(金)の中で週2回授業(約2時間半)
※月2回 土曜日に学習力育成テスト有り
※隔月1回 土曜日に公開模試有り
5年生
通常期 (月)~(金)の中で週3回授業(約2時間半)
※月2回 土曜日に学習力育成テスト有り
※隔月1回 土曜日に公開模試有り
6年生
通常期 (月)~(金)の中で週3回授業(約2時間半)
(土)授業(約3時間半)
※日曜日は追加のオプション有り 基本的に必須
日能研は、平日や土曜日に行う通常授業としての「本科教室」、夏休み等の時に実施する「講習」、そして6年生になると日曜日にのみ行われる「日特」の3種類に分かれてきます。
塾のスケジュールでは、3つの種類の授業を全て受講することが前提になっていることから、土日を含めた全ての日程を空けておくことが必要になります。
また、時間帯に関しても受験前になると朝から晩までということも当たり前になってきます。
本科教室について
「本科教室」は、日能研では 2月から7月と9月から1月までの半年間を1ターム(期間)として決めています。
授業は、「シラバス」と言われる勉強をするスケジュールが決められており、単元に基づき授業が進められるため、授業の時に前回の復習から入ることは、基本的になく、次の単元の勉強をしていきます。
また、日能研は授業中の「気づき」を重視し、その気づきに基づく知的好奇心を刺激する授業を旨としているため、原則として予習が禁止になっています。
もちろん、授業の復習をしっかり行うことは大切であり、算数を中心に「家庭学習用課題」という宿題がたくさん出ます。
また、あらかじめ学ぶべき単元が決められているので保護者が一目みれば分かることもあり自宅でどこの勉強をすればいいのか分かります。
それに加えて「学習カ育成テスト」の出題範囲も事前にわかるため、家庭での学習計画も立てやすくなっています。
前述しましたが、5年生1月までに6年間で習う単元を全て終わらします。
6年生の1学期は、厳密にいえば、5年生で履修した単元の「復習」となります。
「復習」とはいえ、基礎知識の復習をするのではなく、より高度な内容の授業を行いますが日能研は、「同じ内容を何度も繰り返すことを基本的な方針としています。
夏休み後の授業は受験に向けての授業になりますのでここからが本当の勝負になってきます。
講習について
次に、「講習」について説明します。
「講習」は、基本的に前のタームの「復習」期間になります。
忘れてしまった解き方や分からなかった問題を解きなおす期間になるのでとても重要です。
講習中ということもあり学校はお休みのため、自宅での勉強も重要です。
5年生までは一日中勉強とまではいきませんが6年生になると授業が毎日ある場合やない場合でも自宅でも一日中勉強する必要があります。
また、6年生になると自宅用の教材も増えてきますので自分のしたい勉強をする時間はほとんどなくなります。
「日特(日能研入試問題研究特別講座)」について
最後に「日特(日能研入試問題研究特別講座)」について説明します。
実際に入試問題を教室で解答し、解説を受けるという授業で、6年生向けに全国模擬試験開催日以外の日曜日に実施されます。
日曜日に通常の授業があるというわけでなく本番に向けた実践対策のようなものです。
おもしろい点が日特は普段通っている教室ではなく、別の教室で行うところです。
他の教室の生徒と勉強することにより、気持ちのリフレッシュや競争意欲を高めるためでもあります。
このように中学受験は授業の量はもちろんスケジュールも事細かに決められています。
1回でも授業を休むと次の授業からついていけなくなることもありますので勉強だけでなく体調管理も受験では大切なことです。
塾の選び方
中学受験の塾には大きく分けて授業スタイルでは大きく分けて3つあります。
集団塾・個別指導塾・(家庭教師)があります。
授業の方法や値段・対応など異なる点が多い事や同じ授業のスタイルでも塾によって大きく変わってきます。
では選び方としてはどのようなところに注意するのがよいか紹介します。
⓵志望校の合格率が高い・強い塾を選ぶ
塾の合格実績を確認し、毎年、何人の生徒が合格しているかを確認しましょう。
合格者が多ければ、合格するためのノウハウや対策なども把握している塾だと分かります。
もし中堅レベルの中学を狙う場合は大手の学習塾は不向きです。
授業の回数が必要以上に多くなったり、学習スピードが速くなったり、難関校を受ける生徒に目がいってしまい、対策等が充実しない場合が考えられます。
②子供に合う塾を選ぶ
子供と相性が良い塾を選ぶことも大切です。
集団塾の場合は、既に学習習慣ができている生徒や予習ができている生徒と勉強することになれば何も学ぶことがなく、ただ時間だけが過ぎてしまう場合もあります。
合格実績だけを見るのではなく、授業の形態や雰囲気等もしっかり確認しましょう。
また、インターネットの口コミを見たり、体験授業を受けてから入塾を考えることも大切です。
③授業時間外のサポートを確認し選ぶ
最後は授業時間外のサポートを確認することです。
中学受験は小学生にとって苦しい状況になります。
学習相談や進路相談ができる環境が整っているのか、家族に現状の連絡が行われるのか、勉強がついていけない場合のフォローがあるのか等、細かなサポートがあるのかは確認するほうが良いでしょう。
塾の費用に関して
東京都が発表した「令和2年度 都内私立中学校の学費の状況」によると、私立中学の受験料は平均23,200円です。
平均出願校数は4.89校であるため、受験料だけでも10万~15万円ほどかかることになります。
入学金を含む初年度納付金を合わせると、約100万円になります。中学受験には最低でも100万円が必要になります。
それに加えて塾代が必要になってきます。
小学4年生~小学6年生までの費用は約200~300万円平均でかかると言われています。
それに加えて、夏期・冬期等の講習代・テキスト代・模試代もかかってきますし、拘束時間が長いことからおなかが空いたときの食費もかかってきます。
まとめ
ここまで中学受験について紹介してきましたが今回のテーマである「中学受験いつから塾に通わせたらいいの?」の答えとしては、
早いに越したことはないが遅くても小学校4年生からが良いと言えます。
中学受験を専門としている塾の場合、入塾テストで合格できないと入塾できない可能性もあります。
合格するためには入塾前からしっかりと基礎知識の理解や習っている単元までは定着させておくことが大切になります。
大半の生徒にとっては辛い環境に身を置くことになりますが頑張った分将来が明るくなることは間違いないので中学受験をする際は参考にしていただければと思います。