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大久保教室
小説は「今」を反映している
2024.05.30
模試の小説から「今」のトレンドがわかる
こんにちは。まんてん個別大久保教室です。
季節の変わり目で気温も天候も不安定ですが、皆さん、体調は崩していないですか?
メリハリをつけた生活を心がけ、期末テストに向けて勉強する体制を整えていきましょう。
先日、生徒さんから国語の教科書を見せていただく機会がありました。
私が子供のころ飛ぶ鳥を落とす勢いで本を出していた作家さん——あさのあつこ先生、小川洋子先生、上橋菜穂子先生など錚々たる顔ぶれが並んでいて、時の流れに感慨深くなりました。
また、春に行われた模試で出題された小説にも驚きがありました。
『高校受験に失敗し「置かれた場所で咲きなさい」という言葉が大嫌いになり、くさりまくっていた陽葵は、ある日駅前でプラカードを持って立つ高校生たちと出会う。 「ストップ!温暖化」「気候時計、知ってますか? タイムリミットまであと6年!」……気候? 時計? 環境問題に熱心な高校生なんて、ちょっと変わり者なのかな、くらいに思っていたのに、その中にいたひとりの男子の笑顔がめちゃくちゃさわやかだったからというわけではないけれど、なんとなく近づいてみる。すると、それは「あたしを拒否った」高校の生徒たちで―ー。』(講談社の紹介文より)濱野京子著「金曜日のあたしたち」からの引用で、環境問題のスタンディングを題材にした話です。 |
SDGsという言葉が当たり前に使われるようになって何年が経ったでしょう。
プラストローが紙になり、袋が有料化され、今を生きる子供たちは環境問題をより身近に感じていることと思います。
テストに出題される小説は、もちろん読解力を図るという意図もありますが、物語を通して常に子供たちに問いかけてもいるのです。
古典や文豪の作品を読むのも素晴らしい読書体験ですが、令和の子供たちに向けて書かれた、時流が反映されている小説を読むのもまた、今でしかできない貴重な体験となるでしょう。
☆今月のおすすめ本コーナー☆
・「私が鳥のときは」平戸萌著
中三の夏休み、蒼子の母が元同僚で余命わずかのバナミさんをさらってきた。なんでうち。なんで今。腹を立てる蒼子だったが、ひょんなことから一緒に受験勉強に励むようになり……(河出書房新社の紹介文より)
第4回氷室冴子青春文学賞大賞を受賞した傑作青春小説。
中学生が主人公の青春小説です。昨年、文芸界隈でたいへん話題になりました。
揺れ動く少女たちの、受験や学校生活をめぐるひと夏の物語です。