ブログ
学習コラム
【高校受験・国語】得点を伸ばす効率的な勉強法|分野別の対策も
2024.05.12
目次
はじめに|国語はセンス?勉強しても無駄?
・「国語の勉強法がわからない。」
・「国語はセンス、勉強しても変わらない。」
・「国語は点数の浮き沈みが激しい。」
高校受験を控えた皆さんは、国語の勉強でこんな悩みをお持ちではありませんか。
国語は、日本語だからなんとなく解けると、勉強が後回しになりがちな教科です。多くの中学生は勉強が不十分なままテストに臨み、成績が伸びず、国語が苦手になり、ますます勉強しなくなるという悪循環に陥っています。
この記事では、中学校・高等学校での指導経験のある筆者が、高校受験へ向けた国語の効率的な勉強法を解説します。
ここでは、高校受験国語で得点を伸ばしたい中学生に、以下のコツを紹介します。
・分野別の対策法
・得点を伸ばすための効率的な勉強法
・高校受験へ向けた国語の勉強スケジュール
・効果的な受験勉強法
この記事を参考にして、国語の得点UPを目指してください。
高校受験国語では分野ごとの対策が必要
高校受験国語の出題分野は、「漢字・語句・文法」「説明的文章」「文学的文章」「古文または漢文」「作文または小論文」であることがほとんどです。
「漢字・語句・文法」「古文または漢文」は知識を覚えて解く問題が多いのに対して、「説明的文章」「文学的文章」の長文読解、そして「作文または小論文」は知識だけでは太刀打ちできない分野です。それを踏まえて、高校受験へ向けた国語の勉強は、分野ごとに対策するのが効果的です。以下の2つの勉強法をバランスよく組み合わせてみましょう。
・「漢字・語句・文法」「古文または漢文」:知識の暗記+問題演習
・「説明的文章」「文学的文章」「作文または小論文」:問題演習+丁寧な答え合わせ
分野ごとの対策法を詳しく紹介します。
漢字・語句
漢字・語句は高校入試だけではなく、大学入試、ひいては就職試験の一般教養としても問われます。入試での出題数はわずかですが、日本語を使って生きる上では必要不可欠な基礎知識となるので、コツコツと取り組みましょう。
漢字は、教科書に掲載されている常用漢字2136字が出題範囲です。「読み」と「書き」の両方ができるよう、漢字の書き取り練習を日々の学習に組み込みましょう。
語句は、対義語・類義語・多義語の理解、慣用句・ことわざ・故事成語など、覚えるものは多岐に渡ります。効率的なのは、漢字の書き取り練習の際に、対義語・類義語やわからない語句の意味を調べる方法です。
すきま時間を活用して、日ごろのニュース・新聞・ネット記事等で、読み方や意味のわからない語句に出会ったら、調べる癖をつけるだけでも、漢字・語句の知識は増やせます。
文法
高校入試では、日本語の口語文法が問われます。文法は日本語の法則ですが、普段何気なく使っている日本語を、聞きなれない専門用語で説明するので、苦戦する中学生も少なくありません。入試での出題数はわずかですが、中学国語の口語文法に苦手意識が芽生えると、高校古文の文語文法でもつまづいてしまうので、対策は欠かせません。
文法では、文節どうしの関係、意味・用法の紛らわしい品詞の識別、敬語の種類と用法が出題されることが多く、問題の出題パターンが決まっています。知識を覚えたうえで、学校や塾の問題集、定期テスト、模試を活用して、問題形式に慣れましょう。
長文読解(説明的文章・文学的文章)
長文読解は、「説明的文章」と「文学的文章」が1題ずつ合計2題の出題が多く、抜き出し問題、記述問題、正誤判定問題、空欄補充問題などさまざまな設問を通して、内容理解が問われます。
長文読解は、暗記する知識がない分、文章が読みやすかったり、自分がよく知っているテーマだと、勉強しなくても点数が取れることもあります。「勉強しなくてもいい」、「センスで解ける」と対策が後回しになりがちですが、テストに出題される文章のテーマはさまざまですので、入試本番までに多くの問題演習を重ね、どんなテーマの文章でも抵抗なく読めるようにしておくことがベストです。
長文読解の対策では、すきま時間で語彙力をつけ、時間が取れるときは問題演習を重ねるのが効果的です。問題演習では、だらだらと解くのではなく、制限時間内に読み解く練習をしましょう。
古文・漢文(漢詩を含む)
高校入試では、古文または漢文のどちらかが出題されるか、古文・漢文を含む文章が融合問題として出題されることが多いです。受験校の過去問でどのような出題がなされているか確認しましょう。高校入試で出題される古文・漢文では、現代語訳より内容理解が問われます。読解の基礎となる以下の知識を身につけたうえで、問題演習に取り組みましょう。
・歴史的仮名遣い
・基礎知識
古文 簡単な古語(教科書に出てきたもの)、係り結びの法則
漢文 訓読のきまり:返り点(レ点、一・二点、上・下点)、置き字(於、而、焉など)
漢詩 形式(絶句/律詩、七言/五言)、構成や表現技法(起承転結、対句、押韻)
読解では、古文・漢文ともに省略されている語句を補いながら読むことに慣れましょう。
作文・小論文
高校受験で出題される作文は、条件作文や課題作文と言われるもので、ある条件・課題に対して、字数以内で自分の意見をまとめるものです。
最近では、グラフや資料、短い文章が提示されることもあります。まずは、受験校の作文・小論文がどのようなテーマや形式で出題されているかを知り、過去問や問題集を活用して、類似の問題で演習を重ねましょう。
作文・小論文では、時間内に条件を満たした文章を書く力が要求されます。一人で対策するには時間がかかるので、学校や塾の先生、家庭教師に添削をしてもらうなど、自分の書いた文章を他の人に客観的に見てもらうとよいでしょう。
得点を伸ばすための効率的な勉強法
受験勉強は5教科をまんべんなく学習する必要があるため、国語だけに時間を割けません。限られた時間で対策するための効率的な勉強法を紹介します。
過去問を解いて出題の傾向を掴む
まず、受験校の過去問を解いて出題の傾向を掴みましょう。
・大問数や解答時間
・漢字・語句・文法の問題数
・古文・漢文の読解問題があるか
・長文読解ではどんなテーマが取り上げられているか
・作文・小論文ではグラフや資料の読み取りがあるか
入試の出題分野と配点は受験校ごとに決まっています。受験校の過去問を3~5年分を確認し、出題分野と高配点の分野を分析しましょう。
苦手な分野だけ対策する
限られた時間を効率的に使うには、得意な分野はあえて勉強せず、苦手な分野の対策に時間を使いましょう。
自分の苦手分野は定期テストや模試から見極めましょう。テストや模試の復習は後回しにせず、テストが返却されたその日のうちに終わらせましょう。
オススメのテスト復習法は、以下の通りです。参考にしてみてください。
漢字・語句 | ・テストで間違えた漢字を10回書く。
・意味のわからなかった語句を単語カードにする。 など |
文法 | ・間違えた問題と同じ単元の別問題をワークや問題集で解く。 など |
長文読解
説明的文章 文学的文章 |
・「読み間違いがなかったか」「まぐれで正解した問題がなかったか」を見直す。
・選択問題:選択肢一つ一つを本文と照らし合わせて正誤を確認する。 ・記述問題:採点基準・模範解答と自分の解答を比較する。 など |
古文または漢文 | ・問題文を音読する。
(すらすら読めれば、歴史的仮名遣いや訓読法がマスターできている) ・省略されている主語や助詞を補って読む。 など |
作文または小論文 | ・グラフ、資料の読み取りに間違いはなかったかを確認する。
・条件を満たしていたかを見直す。 など |
長文読解の攻略がカギ
長文読解は配点が高い分野です。はじめて読む文章を限られた時間で読解するので、自分がよく知っているテーマの文章では点数が取れるけど、全く知らないテーマの文章、抽象度が高い文章だと、読むのに時間がかかり、途端に点数が取れないことがよく起こります。
長文読解で得点を伸ばすには、以下の2点がポイントです。
・どんなテーマの文章でも抵抗なく読める
・記述問題でも得点できる
どんなテーマの文章でも抵抗なく読むためには、語彙力や背景知識が必要です。日ごろからニュースや新聞などで、社会の課題にアンテナを張ることが効果的です。また、マンガやアニメ、歌詞などもよい教材になります。意味を知らない語句に出会ったら調べてみてください。
記述問題は、問題演習を繰り返し、解答の型を身につけ、時間内に解答をまとめる記述力をつけることが大切です。
高校受験へ向けた国語の勉強スケジュール
国語の効率的な勉強法は、必要最小限の時間で分野ごとに対策することです。
高校受験へ向けた国語の勉強スケジュールを紹介します。
中3夏まで|定期テスト対策が入試対策につながる
多くの中学生が勉強と部活動とを両立しているかと思います。部活動を引退する中学3年生の夏までは、定期テスト対策に力を入れましょう。
国語の学習は後回しになりがちですが、暗記が多い「漢字・語句・文法」「古文・漢文」は入試直前では対策が間に合いません。定期テストは内申点にも直結します。テスト対策がそのまま入試対策につながるので、学期ごとの定期テストをうまく活用して、知識を定着させましょう。
中3夏から秋|苦手分野の克服を
部活動を引退する中学3年生の夏休みからは、受験校の過去問を解き、苦手分野を克服しましょう。他教科も平行して学習を進めるので、国語は苦手分野のみ時間をかける意識で学習しましょう。
「漢字・語句・文法」「古文・漢文」は知識さえ身につけば得点しやすい分野です。早めに知識を習得して、問題演習にうつりましょう。
「説明的文章」「文学的文章」の長文読解、また「作文または小論文」は、学習効果を実感しにくい分野ですが、問題演習を繰り返すことで、①出題パターンに慣れること、②時間内に解き切ることができるようになります。テストや模試の点数に一喜一憂せず、間違いを分析して次へつなげましょう。
入試直前|演習あるのみ
入試直前は、受験校の過去問や問題集を活用して、演習を繰り返しましょう。
時間配分を意識して、時間内にすべての問題が解き切れるようにしましょう。過去問演習の際は、解答順(どの大問から解くか)と時間配分(それぞれの大問に何分かけるか)を自分なりに決めておきましょう。解答順と時間配分を決めておくと、入試本番でも焦らずに試験に臨めます。
また、本番と同じ時間割で問題演習するのも効果的です。国語は入試1教科目として朝一番に実施されることが多い科目です。入試本番と同じ時間帯で頭がフル稼働するように、生活リズムも含めて、心身の状態を整えましょう。
効果的な受験勉強
問題集選びや演習方法を間違えると、時間をかけても効果が出ません。問題集選びのポイントと問題演習で気を付けることを紹介します。自分の苦手分野を把握し、自分のレベルと目的に合った問題集で演習を重ねましょう。
問題集選びのポイント
問題集選びで陥りがちなのが、いろいろな問題集に手を出して、どれもやり切れずに終わってしまうことです。問題集は目的に合ったものを選びましょう。
知識の暗記には、覚えるべき内容がコンパクトにまとめられ、単元ごとに問題演習ができるものがオススメです。長文読解や作文・小論文の問題演習には、解答時間の目安が示してあり、記述問題の採点基準や解説が充実している問題集を使ってみましょう。
まずは学校や塾指定の問題集を徹底的にやり、物足りないと感じるようなら市販問題集を購入して取り組んでみましょう。
問題演習で気を付けること
問題演習は解いて満足せず、答え合わせに時間をかけましょう。以下の視点をもって、答え合わせをすると、次にやるべきことが見えてきます。
・必要な知識が覚えられていなかった→知識の暗記
・問題形式にとまどった→演習を繰り返して問題形式に慣れる
・文章を読むのに時間がかかった→似たテーマの別文章を解いてみる
・記述問題で何を書いていいのかわからなかった→解説を読んでポイントを理解する
・時間内に解き切れなかった→時間配分、解答順を見直す
基礎知識が必要な「漢字・語句・文法」「古文・漢文」では、知識の定着が不十分な状態で問題演習を繰り返しても点数は伸びません。問題演習と復習を繰り返し、必要な知識を定着させましょう。
長文読解や「作文・小論文」では、時間内に読み解く力、自分の考えを文章にまとめる力が問われます。限られた時間で解き切るには、常に時間を意識して演習することが肝心です。
まとめ
高校受験国語の効率的な勉強法を紹介しました。国語は知識だけでは解けない分野があるため、どんな勉強をすればいいか難しく感じるかもしれませんが、知識の暗記と問題演習を重ねることで必ず伸びていく教科です。
高校受験国語では、分野ごとの対策が効果的です。入試本番へ向けて、正しい勉強法を実践して、国語の得点を伸ばし、ぜひ第一志望校の合格を勝ち取ってください。